2022/10/12 12:51
今回は皆さんに、SOMARUのラグやクッションカバーがどのようにして作られているのか
少しお話できたらと思います。
メキシコの中心に位置するオアハカ州はサポテコ族、アステカ族など様々な先住民が州人口の半数を占めています。
今日はそのなかでもサポテコ族について紹介します。
オアハカの中心部から南東へ約30キロのところに
TEOTITLAN DEL VALLE(テオティトラン・デル・バジェ)という
サポテコ族が住んでいる村があります。
スペイン語で、絨毯のことを「タペテ」と呼び、テオティトランで作られる絨毯は、
サポテコ族をルーツに持つことから、「サポテックラグ」という総称で呼ばれています。
サポテックラグは、羊毛(ウール)100%なので、冬は暖かく
夏はさらっとした使い心地を楽しんでいただけます。
また、耐久性も高く何十年と持ち、時間が経てば経つほど深い味わいが出てくるのも特徴です。
テオティトランの工房では化学染料は使わず、草木染めなどの天然染料を使い、
昔ながらの伝統的な方法で、環境にも人にも優しい織物を作っています。
ここからは具体的にどのようにしてラグを作っているのかお話します。
①紡績(羊毛を紡いで糸にする)
羊毛は、オアハカの近くの村から仕入れていることが多いそうです。
仕入れた状態の羊毛は脂やゴミで汚れているので、しっかり石鹸で洗い、乾かします。
そして、平たい木製の道具でほぐして羊毛を柔らかくしていきます。
②羊毛糸をつくる
糸車を使って羊毛を紡いでいき、糸巻き棒に巻き付けていきます。
私も挑戦したのですが、これが結構難しかったです。
③紡いだ糸を天然染色していく
染めるための材料には、村の花や果物など様々なもので色を作っていきます。
例えば…
オレンジ、黄→マリーゴールド、特殊な花の根っこ、アボガドなど
青→日本でも使われている藍
赤→コチニール
↑サボテンについた白い部分がコチニール。これを指で潰すと真っ赤な色が出てきます。
メタテ(石の台)とマノ(石の棒)を使って乾燥したコチニールをすり潰します。
これを水に溶かし、石灰やレモンを使って色味を調節します。
(この時は、コチニールにレモンをかけると綺麗なオレンジになりました。感動です!)
そうして作った染水で紡いだ糸を茹でて、糸に色を染み込ませます。
色は植物の状態にも関係するのでムラがあり、化学染料のように毎回同じ色は作り出せません。
その一瞬で交わり合った自然の摂理、どれもほんの少しずつ違う、世界に一つだけの色です。
染色された糸は色落ちしなくなるまで何度も洗い、数週間風通しの良い場所に吊るして干しておきます。
次に、みんなでデザインを決めて誰が作るのか、色はどうするのか話し合います。
この時間が一番楽しいのですが、赤だけでも何百通りもあるのでとても時間がかかります。
みんなでどのテイストにするか決めていきます。
↑このようにくじ引きをして、誰がどの商品を作るのか決めていきます。
ちょっと遊び心がありますよね。みんな、はしゃいでました(笑)
⑥実際にデザイン通りに織っていく
作り手が決まったら、足で踏み込む式の織機を使って、織っていきます。
縦糸と横糸を交互に浮き沈みさせて織る「平織(ひらおり)」という織物です。
このようにSOMARUの商品は糸を紡ぐことから、織物を完成させるに至るまで、すべて手作業です。
1㎝の違いでも織り直しになり、効率が悪いですが、私たちは大量生産では生み出せない
職人達の想いや、1つの商品が出来上がるまでのストーリーを届けながら
世代を超えて使い続けられるような商品を生み出していきたいと考えています。
今日はこのへんで。
少しでも皆さまに私たちの活動が伝わりますように。
読んでいただきありがとうございます。
あやか